はじめに
- AGGは、低コストで米国の総合債券市場に投資できる優れたETF
- 過去は市場の急変時も比較的安定した値動き&配当を継続
- 金利上昇やインフレの影響を受ける可能性が高く、他の資産と組み合わせたバランスの取れたポートフォリオを構築することが重要
米国債券ETFに興味を持っている方の中でも、AGG(iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF)という名前を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。
AGGは、安定したリターンを求める投資家に人気のETFであり、特に外貨で長期的な分配金を得たい投資家に適した金融商品となっております。
本記事では、AGGの基本情報、メリット・デメリット、運用戦略などを解説してまいります。
AGGとは?基本情報を解説
iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF(AGG)とは、投資適格債券市場全般を表す指数と同等水準の投資成果を目指して運用されている上場投資信託(ETF)です。
世界最大クラスの投資運用会社である、ブラックロック社が提供するこのETFは「ブルームバーグ債券インデックス」に連動しており、国債・社債・モーゲージ証券(MBS)など、さまざまな種類の債券に分散投資できます。
- 運用会社:ブラックロック(iShares)
- 設定日:2003年9月
- 経費率:0.03%
- 分配利回り:約2〜4%(市場環境により変動)
- 連動指数:iシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF
- 投資対象:米国国債、社債、MBSなど
債券とは
債券とは、企業や政府が資金を調達するために発行する借用証書のようなものです。
投資家は債券を購入することで発行者にお金を貸し、その見返りとして定期的に利息(クーポン)を受け取り、満期には元本が返還されます。
- 低リスク資産:株式と比べて価格変動が少なく、安定した収益が期待できる
- 利息収入(インカムゲイン):定期的な利息が得られる
- 発行主体:政府(国債)、地方自治体(地方債)、企業(社債)など
- 金利との関係:金利が上がると債券価格は下がり、金利が下がると債券価格は上がる
AGGのような債券ETFは、これらの債券をまとめて投資できる便利な商品です。

株式と比較した債券の特徴
株式と債券はどちらも投資対象ですが、それぞれリスクとリターンの特性が異なります。
項目 | 債券 | 株式 |
---|---|---|
リスク | 低め(価格変動が小さい) | 高め(価格変動が大きい) |
リターン | 安定した利息収入 | 配当+値上がり益の可能性 |
価格変動要因 | 金利変動・信用リスク | 企業業績・市場全体の動向 |
インカムゲイン(収入) | 定期的な利息(クーポン) | 配当(企業による) |
キャピタルゲイン(値上がり益) | 少ない | 大きな利益の可能性 |
市場の影響 | 不況時に強い(安全資産) | 好景気時に成長しやすい |
高いリターンを狙いたいなら株式の方が有利ですが、その分リスクも高まります。自分のリスク許容度に合わせた投資ポートフォリオを構築することが大切です。
AGGのメリットとデメリット
本章では、AGGの「メリット」「デメリット」について、簡単に説明します。
AGGのメリット
- 低コストで分散投資が可能
- リスク分散効果が高い
- 安定した配当
低コストで分散投資が可能
経費率が0.03%と非常に低く、コストを抑えながら広範な債券市場へ投資できるのが強みとなります。
リスク分散効果が高い
国債だけでなく、社債やMBSなどを含むため、金利変動リスクを抑えながら分散投資が可能です。特に、経済危機時には安全資産としての役割を果たしやすく、急激な価格下落を防ぐ効果があります。


(ブラックロック「iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF」より参照)
安定した配当
株式に比べると価格変動が少なく、定期的な利息収入が得られるため、長期間にわたって安定した分配金を得たい方にとっては大きな魅力となります。
過去10年間の分配金実績と利回りの推移
年度 | 年間分配金 | 分配金利回り |
---|---|---|
2015 | $2.649 | 2.41% |
2016 | $2.586 | 2.39% |
2017 | $2.537 | 2.35% |
2018 | $2.891 | 2.64% |
2019 | $3.036 | 2.85% |
2020 | $2.531 | 2.25% |
2021 | $2.020 | 1.71% |
2022 | $2.319 | 2.03% |
2023 | $3.108 | 3.20% |
2024 | $3.628 | 3.66% |
注:分配金利回りは、年間分配金を前年末の株価で割った値としております。
AGGのデメリット
次にAGGのデメリットについてご説明します
- 金利上昇による価格下落
- インフレによる実施利回りの低下
- キャピタルゲインが期待しにくい
金利上昇による価格下落
一般的に債券価格は金利と逆相関の関係にあるため、米国の金利が上昇するとAGGの価格は下落することが多くなります。
◯市場金利が3%のとき、額面1,000ドル・利率3%の債券が発行された場合
- 毎年30ドルの利息がもらえる(1,000 × 3% = 30ドル)
- 額面通りの1,000ドルで取引される
上記の債券について『金利が上がったパターン』及び『金利が下がったパターン』を簡単に例示します。
- 新発債(5%)なら50ドルの利息がもらえる
- 既存の3%債券は魅力が低下し、価格が下落(仮に額面900ドルに)
- 投資家が新発債を選ぶため、既存債券の価格は下がる
- 新発債(2%)なら20ドルの利息がもらえる
- 既存の3%債券は魅力が上昇し、価格が下落(仮に額面1100ドルに)
- 投資家が新発債を購入しないため、既存債券の価格は上がる

インフレによる実質利回りの低下
インフレが進むと、AGGの分配金の実質的な価値が目減りする可能性があります。
キャピタルゲインが期待しにくい
株式と比較すると値上がり益(キャピタルゲイン)が期待しにくい点も債券のデメリットとなります。
米国債券と米国株式のトータルリターンを比較したものが下図となります↓

出典:NOMURAウェルスタイル
AGGのパフォーマンスとリスク
本章では、AGGのパフォーマンスとリスクについて、過去データを参考にしながらお伝えしていきます。
過去のパフォーマンス
AGGは、リーマン・ショックやコロナショックといった市場の急変時でも比較的安定した動きを見せています。
特に、株式市場が不安定な時期には、安全資産として資金が流入しやすくなります。

※指数データより管理人作成
AGGのリスク要因
AGGの主なリスク要因については、以下のようなことが考えられます。
金利変動リスク
米国の金利が上昇すると、債券価格は下落します。特に、急激な利上げ局面では、AGGの価格が大きく下落する可能性があります(詳しい説明はこちら)
信用リスク
AGGには社債も含まれているため、企業の信用力が低下した場合、価格の下落要因になります。特に、景気後退時には、社債のデフォルトリスクが高まります。
インフレリスク
インフレが進むと、債券の実質的な価値が下落し、AGGの分配金の購買力も低下します。
為替リスク(米国外の投資家向け)
米ドル建てで運用されているため、為替の変動がリターンに影響を与える可能性があります。
AGGと他の米国債券ETFの比較
AGG以外にも、米国債券ETFには多くの選択肢があります。
ETF | 運用会社 | 主要投資対象 | 経費率 | 分配利回り |
---|---|---|---|---|
AGG | ブラックロック | 総合債券市場(国債、社債、MBS) | 0.03% | 2〜4% |
BND | バンガード | 総合債券市場(AGGと類似) | 0.03% | 2〜4% |
TLT | ブラックロック | 長期米国債(20年以上) | 0.15% | 2〜3% |
LQD | ブラックロック | 投資適格社債 | 0.14% | 3〜4% |
AGG vs. BND
- BNDはAGGと非常に類似したETFであり、投資対象やリスク・リターン特性もほぼ同じ
- どちらを選んでも大きな違いはないが、流動性の観点ではAGGの方が取引量が多く、スプレッドが狭いため、売買しやすい
AGG vs. TLT
- TLTは長期米国債を対象としたETFであり、金利変動の影響が非常に大きい
- 金利低下時にはAGGよりも価格が大きく上昇する可能性があるが、金利上昇時のリスクも大きい。
- 経費率の差が大きい(0.12%)
- 配当利回りはAGGが2〜4%、TLTが2〜3%であり、AGGの方が安定的に高利回りである
AGG vs. LQD
- LQDは主に投資適格社債(信用格付けが高い企業債)に投資するため、リスクはAGGより高いがリターンもやや高め
- AGGの経費率は0.03%と低いが、LQDは0.14%とやや高い
- 分配利回りはAGGが2〜4%、LQDが3〜4%であり、LQDの方が高めである
- AGGは国債やMBSも含むため、金利上昇時の影響をある程度抑えられるが、LQDは企業債が中心のため、金利上昇時には社債利回りが上昇し価格が下落しやすい
AGGを活用した投資戦略例
米国が完全にデフォルトとなるリスクは、他諸国と比べて明らかに少ないと考えられます。
したがって、AGGは『長期で外貨建資産の保有や分配金を得たい方』にとっては、魅力的な金融商品の1つであると言えるでしょう。
- コア資産として長期保有:株式と組み合わせることで、ポートフォリオ全体のリスクを抑えながら安定したリターンを狙う
- 老後資産の一部として組み入れる:退職後の生活資金として、比較的安全なCFを得ることができるAGGをアセットアロケーションに組み入れる
まとめ
本記事では、AGGについてお伝えしてまいりました。
まず、AGGの基本情報として、低コストで米国の総合債券市場に投資できるETFであることを説明しました。
続いて、メリットとデメリットについて、リスク分散効果や安定した配当が魅力である一方、金利上昇やインフレの影響を受けるリスクがあることを確認しました。
さらに、パフォーマンスとリスクの観点から、金利変動や市場環境による影響を解説し、他の米国債券ETFとの比較では、AGGとBND、TLT、LQDの違いを具体的に示しました。
特に、リスク許容度に応じた適切なETF選択が重要であることを強調しました。
AGGを活用した資産形成に興味がある方は、ぜひご自身の投資スタイルに合わせた戦略を検討してみてください!
では、See You❢
オススメの証券口座
まだ証券口座を開設していない方は、ネット証券大手&手数料が業界最安クラスである「楽天証券」「SBI証券」がオススメです↓
オススメの証券口座①:『楽天証券』
オススメの証券口座②:『SBI証券』