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- SPYDはS&P500高配当指数に連動するETF
- 米国高配当ETFの中でも特に高い配当利回りを実現している
- 構成銘柄に偏りが多く景気変動の影響を受けやすい
米国高配当ETFは、安定した収入を求める投資家にとって魅力的な選択肢です。その中でも、SPYD(SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF)は、先にご紹介したVYMやHDVと同様、多くの投資家から注目されています。
本記事では、SPYDについて、投資する上で知っておきたい特徴を投資初心者に向けて分かりやすく解説していきます。
- SPYDの基本情報について
- SPYD投資のメリット・デメリットについて
- SPYD投資における投資戦略について
SPYDとは
SPYDはアメリカのステート・ストリート社が運用する米国高配当ETFです。
ステート・ストリート社は総運用資産は4.1兆米ドル【2022年12月現在】を誇る、世界的な資産運用会社です。
バンガード社、ブラックロック社と並んで、世界三大資産運用会社として語られることも多く、世界的にみても信頼と実績が高い資産運用会社であるといえますね🤞
SPYDの基本情報
SPYDは、State Street社によって運用されている高配当株に特化したETFです。正式名称は「SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF」で、ティッカーシンボルはSPYDです。
SPYDは、S&P500高配当指数(S&P 500 High Dividend Index)に連動することを目指しており、この指数に含まれる高配当銘柄に分散投資することができます。
SPYDの特徴
名称 | SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF |
---|---|
運用会社 | State Street(ステートストリート)社 |
連動インデックス指数 | S&P 500 High Dividend Index |
経費率 | 0.07% |
銘柄数 | 80社 |
純資産額 | 51億320万 米ドル(時価総額加重平均、2024/8/29時点) |
取扱可能な証券会社 | SBI証券、楽天証券、マネックス証券など |
S&P500高配当指数(S&P 500 High Dividend Index)とは
◯S&P500高配当指数(S&P 500 High Dividend Index)の特徴
- 選定基準:S&P 500に含まれる企業の中から、配当利回りが上位80社に位置する銘柄を選定します。つまり、株主に高い配当を提供している企業が選ばれている
- 構成銘柄:組入銘柄の比率はほぼ一定であり、公益事業や金融、不動産の銘柄を中心に構成されている(2024年9月時点)
- リバランス:定期的なリバランス(年2回)で、配当利回りが高い銘柄への入れ替えが行われる
SPYDの配当利回り
- 直近の配当利回り:4.10%(2024年8月29日時点)
- 配当頻度:年4回(3、6、9、12月)
- 直近の年間分配金(2023年):1.827629米ドル
※SBI証券データより作成
代表的な運用セクター&構成銘柄
本章ではSPYDにおける主な運用セクタと代表的な構成銘柄をご紹介します。
代表的な運用セクター
出典:StateStreet社(2024/9/3時点)
代表的な構成銘柄
銘柄名 | 保有株数 | 組入比率(%) |
KELLANOVA | 1,346,802 | 1.64 |
KENVUE INC | 4,242,535 | 1.45 |
VENTAS INC | 1,440,079 | 1.36 |
PUBLIC STORAGE | 260,805 | 1.36 |
STANLEY BLACK + DECKER INC | 892,294 | 1.35 |
EDISON INTERNATIONAL | 1,013,871 | 1.35 |
HASBRO INC | 1,297,401 | 1.34 |
BEST BUY CO INC | 878,798 | 1.33 |
MID AMERICA APARTMENT COMM | 537,548 | 1.33 |
PHILIP MORRIS INTERNATIONAL | 691,785 | 1.33 |
出典:StateStreet社(2024/9/3時点)
SPYDの価格推移
次に、SPYDの価格推移をご紹介します。
参照元:Bloomberg
参考:HDVの価格推移【参照元:Bloomberg】
SPYDに投資するメリットとデメリット
SPYD投資のメリット
私が考える「SPYDへ投資するメリット」は以下の通りです。
- 配当利回りが(他の米国高配当株ETFと比べて)高い
- 比較的少額でも投資が可能
- 運用コストが低い
配当利回りが高い
個人的にSPYDに投資する最大のメリットと考えるのは『配当利回りが高いこと』です。直近の4年間は4%以上の配当利回りを実現できてます🤞
年度 | 配当利回り |
---|---|
2023年 | 4.62% |
2022年 | 4.72% |
2021年 | 4.70% |
2020年 | 4.16% |
参照元:ステート・ストリート社サイトより作成
配当金は「再投資」は勿論「日々の生活費」として使ってしまう等、その時々の状況に応じて自由に使えるのが魅力ですね✨️
例えば「月々25万円の生活費」が必要な方が「税引き後の配当利回りが5%の株式」を保有している場合は、理論上では「6,000万円分の株式」があれば生活費を賄えることになります(6000万円×0.05÷12=25万円/月)
少額でも投資可能
SPYDは2024年9月13日時点で『45.41米ドル』であり、手数料を含めても『1株あたり約7,000円程度』で購入可能です。
※参照元:SBI証券
同じ米国高配当ETFであるVYMとHDVの価格が、どちらも1万円超であることを考えると、比較的少額から投資できる高配当ETFであるといって差し支えないでしょう。
運用コストが低い
また、SPYDの経費率は年率0.07%と非常に低く抑えられており、取引コストを抑えながら運用できるのも大きなメリットです。
SPYDのデメリット
一方で、SPYDのデメリットとしては、景気敏感銘柄が多く組み込まれているため、不況時や特定セクターに悪影響があった場合に大きく下落する可能性があります📉
- 特定セクターへの依存度が高い
- 景気変動による影響が大きい
- 成長性が低い
特定セクターへの依存度が高い
SPYDは高配当株を中心に構成されており、特に不動産(REIT)や公益事業セクターが多く含まれています。
SPYDの業種別組入比率
これらのセクターの主な特徴は下記のとおりです。
- 不動産セクター(REIT):金利が上昇すると、不動産関連の企業は借り入れコストが増加し利益率が低下することがあります。これにより、企業が配当金を減らすリスクが高まります。
- 公益事業セクター: 公益事業(電力・水道など)は、景気に関係なく安定した収益を上げやすい一方、規制や金利の影響を強く受けます。特に金利上昇時には、債務負担が増えるため、配当を維持するのが難しくなる可能性があります。
- 金融セクター:金融セクターは、安定した配当や景気回復期の成長が期待できる一方、景気変動や規制、金利の影響を受けやすいリスクも伴います。特に金利低下時は全体的な収益性が低下し配当への悪影響が生じる可能性があります。
このように、セクター集中による投資は、経済や金利の変動に応じてSPYD全体のパフォーマンスに影響を与える可能性があります。
景気変動による影響
高配当株は、景気変動の影響を受けやすい傾向があります。
特に、SPYDが投資している高配当銘柄は、景気が良好なときには安定した配当を提供しますが、景気後退期や経済が不調なときには業績が悪化し、配当金が削減されるリスクがあります。
- 景気後退時の配当削減: 景気が悪化すると、企業の利益も減少しやすく、それに伴い配当金が減少するケースがあります。高配当ETFの魅力は配当利回りの高さですが、企業が配当を削減すると投資家が期待する安定した収益が得られなくなる可能性があります。
- 高配当株の景気依存性: 特にエネルギー、不動産、金融などのセクターに依存している場合、景気に左右される企業の業績悪化がETF全体の配当利回りを下げる要因になります。
SPYDは、景気後退期においてはそのリターンが低下しやすいというデメリットがあるため、特に配当収入を重視する投資家にとっては、景気変動に伴う不安定さは大きなリスクとなり得ます。
成長性の低さ
SPYDに含まれる銘柄は、基本的に高配当を支払う成熟企業が多く、これらはグロース株(成長株)に比べて株価の上昇余地が限定的です。
したがって、キャピタルゲイン(株価の値上がり)を重視する投資家にとっては、成長性の低さがデメリットとなります。
- 成熟企業への投資: SPYDの構成銘柄には、大手の成熟した企業が多く含まれています。これらの企業は安定した収益を上げていますが、すでに成長のピークに達していることが多く、急激な株価上昇は期待しにくい。
- キャピタルゲインの期待が低い: グロース株に投資する場合、企業の成長に伴って株価が大幅に上昇する可能性がありますが、SPYDのような高配当ETFは、配当収入が主なリターンとなるため、株価上昇による利益(キャピタルゲイン)への期待はあまりできない。
SPYDは、高配当銘柄に重点を置いているため、バリュー株(成熟した企業)に多く投資されています。
バリュー株は成長株(グロース株)と比較して、株価の上昇余地が限られるため、特に短期的な利益を重視する投資家や、株価の値上がりによる大きなリターンを望む投資家にとって大きなデメリットとなります。
その他の米国高配当ETFとの比較
主な米国高配当株ETFの特徴
主な米国高配当株ETFの特徴
SPYD | HDV | VYM | |
運用会社 | ステート・ストリート | ブラックロック | バンガード |
ベンチマーク | S&P500高配当指数 | モーニングスター配当フォーカス指数 | FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス |
構成銘柄数 | 約80社 | 約75社 | 約550社 |
経費率 | 0.07% | 0.08% | 0.06% |
基準価額(2024/8/7時点) | 42.44USD | 112.08USD | 118.72USD |
直近配当利回り(2024/6時点) | 4.55% | 3.25% | 3.40% |
特徴 | S&P500の採用銘柄の中で、配当利回りの高い80銘柄に投資 | 米国の財務優良企業のうち、配当利回りの高い銘柄でに投資 | 平均以上の配当利回りがある米国企業に幅広く分散して投資 |
過去の実績比較
次に、2016年~2024年7月時点におけるリターン・リスクについて比較します。
「年率収益率」はVYMが一番大きく、また「年率標準偏差」も最も低くなっており、データ上は、VYMが最も安定したリターンを実現しつつ、リスクも一番低いという結果になってます💡
HDVの業種別構成比率
SPYDの投資戦略
SPYD(SPDRポートフォリオS&P 500高配当ETF)を活用した効果的な投資戦略は、主に高配当を重視する投資家や、安定したキャッシュフローを得たい人に向いています。
SPYDはS&P500指数の中で配当利回りの高い銘柄に投資するETFであるため、安定した配当を目的とした長期投資戦略が中心となります。
- 高配当によるインカムゲイン重視の長期投資
- 分散投資の一部としての利用
高配当によるインカムゲイン重視の長期投資
SPYDは比較的高い配当利回りを提供しており、これを活用することで、配当を再投資しながら資産を徐々に増やしていく戦略が有効です。
この戦略のメリットは、長期的な資産の増加が期待できる点です。毎年の配当をそのまま消費するのではなく、SPYD自体に再投資することで、複利効果による保有資産の成長が見込めます。
ポートフォリオビジュアライザー「SPYD(配当再投資する)」より抜粋
なし
ポートフォリオビジュアライザー「SPYD(配当再投資しない)」より抜粋
一方で、配当金をそのまま生活費や他の投資に充てたい投資家にとってもSPYDは効果的です。
SPYDは3,6,9,12月と4半期ごとに配当が支払われるため、定期的なキャッシュフローを確保したい投資家にとっては比較的安定した収入源となります。
分散投資の一環としての利用
分散投資戦略の一部としてSPYDを活用することは、特定のリスクを避け、全体のポートフォリオを安定させるために有効です。
具体的には、SPYDを他の資産クラスやETFと組み合わせることで、ポートフォリオ全体のバランスを取り、特定の市場リスクに対して、SPYD単体よりも強固な対策を講じることができます。
セクター分散の強化
SPYDは米国株式市場の配当利回りの高い銘柄に分散投資しており、セクター分散も比較的広範ではあるものの、投資比率としては不動産・金融・公共事業セクターへの比重が多くなっております。
そのため、SPYD単独に依存するのではなく、他のETFや個別銘柄と組み合わせることで、ポートフォリオ全体のリスク分散が可能となります。
個別株投資リスクの軽減
SPYDは、個別の高配当株に直接投資するのではなく、複数の高配当株に分散投資することで、個別企業に特有のリスクを軽減できます。
例えば、特定の企業が業績不振や不祥事で株価が急落した場合でも、他の銘柄がポートフォリオの安定性を支える役割を果たします。
また、SPYDは、米国経済全体にわたる多様な企業に投資しているため、特定の企業や産業に依存せず、経済全体のリスクをより分散させることができます。これにより、全体的な市場リスクの軽減が期待できます。
国際分散投資との組み合わせ
SPYDは米国の高配当株に焦点を当てているため、米国内の経済や政策リスクに直接影響を受けます。
このリスクをさらに分散させるために、国際的なETFやファンドとSPYDを組み合わせてポートフォリオを構築することが有効であると考えられます。
例えば、全世界やヨーロッパ、日本など、異なる経済圏を含む銘柄への投資を加えることで、グローバルな経済変動に対する耐性を高めることが期待できます。
インカムゲインとキャピタルゲインのバランス
SPYDは高配当株に投資するため、安定したインカムゲイン(配当収入)が期待できます。
これに加えて「キャピタルゲイン(株価上昇による利益)」を狙う他の投資商品と組み合わせることで、ポートフォリオのリスクとリターンのバランスを整えることが可能です。
これにより、インカムゲインとキャピタルゲインのバランスを取った投資戦略が可能となります。
まとめ
本記事では、米国高配当ETFのSPYDについて、実際に投資を行っている私自身の経験や所感を含めてにご紹介いたしました。
- SPYDの基本情報について
- SPYD投資のメリット・デメリットについて
- SPYD投資における投資戦略について
SPYDは、State Street社によって運用されている高配当株に特化したETFです。正式名称は「SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF」で、ティッカーシンボルはSPYDです。
SPYDは、S&P500高配当指数(S&P 500 High Dividend Index)に連動することを目指しており、この指数に含まれる高配当銘柄に分散投資することができます。
ぜひ、SPYDをポートフォリオの一部として組み込んで、配当収入を得るための第一歩を踏み出してみてはいかがでしょう?
では、SeeYou❢