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本記事では「高配当株投資」におけるメリット・デメリットについて、私の経験を含めて解説します。
インデックス投資は資産形成に最適である一方、毎月の『インカムゲイン』をファンド内で再投資することで複利効果を最大限にするために「投資で今の生活が良くなっている実感を得られにくい」という特徴があります。
とことん合理的に考えられる方にとっては、理論上最も「効率的・合理的」であると考えられる「優良指数に連動するインデックス投資」を実践し続けることが「投資の最適解」といえるでしょう。
一方で、高配当株投資では「投資で今の生活が良くなっている」と実感しやすく(私の経験上)投資へのモチベーションが維持しやすいように感じます。
インデックス投資とは異なる知見が必要となりますが、投資で今も未来も良くしていきたい方にとって「高配当株投資」はおすすめの投資ですね😊
1. 高配当株投資とは?
高配当株とは、一般に『配当利回りが高い株』を指すものです。
配当利回りは、企業が株主に対して支払う利益の一部を示す指標であり、その配当額が株価に対して高いほど、配当利回りは高くなります。
一般的に、高配当の株は安定して利益を上げることができる企業や、一時的に株価が下がっている企業など、さまざまな背景を持つ企業から見られます。
長期的に安定したインカムを得るためには、安定して利益を上げ続けることができる企業を見分けることが大切です。
2. 高配当株投資のメリット
高配当株には様々なメリットがありますが、私が考える主なメリットは下記の2点です。
- 定期的な配当収入を得ることができる
- 株価の下落リスクが比較的低い
定期的な配当収入を得ることができる
高配当株の投資を行う最大の魅力は、定期的な配当収入を得ることができる点にあります。
この収入は、企業の業績や経済状況に比較的左右されにくいため、日々の生活において安定したキャッシュフローを期待することが可能となります。
ゲットした配当は好きなことに使うのも良いですし、さらに、この配当を再投資することで、複利効果を利用して長期的に資産を増やすことも可能です。
株価の下落リスクが(比較的)低い
また、高配当株は安定した業績を持つ企業が多いため、株価の下落リスクが比較的低いとされております。
そして、市場の変化に関わらず『配当金は極端には下がりにくい』傾向にあります。勿論、すべての高配当株がそうとは限りませんので、長期的に安定した配当を出し続けれる企業を選ぶ「目利き力」が大切となります。
3. 高配当株投資のデメリット
一方で、高配当株投資には注意が必要な点もいくつか存在します。
- 企業の成長鈍化による再投資機会の減少
- 一時的な要因に伴う一過性の高配当である可能性
企業の成長鈍化・再投資する機会の減少
高配当株に多い傾向として、企業(業界)の成長が鈍化しており、新たに大きな投資が不要となる場合に株主還元に注力することが多くなります。
今後の業界や企業動向に潜在的なリスクが存在するケースもあるので、
- 市場での独自性を発揮している
- 業界のシェアが大きい
- 財務健全性や業績の安定性が高い
等、今後も安定した配当が受け取れる企業であるか?をしっかり分析することが大切となります。
一時的な要因に伴う一過性の高配当である可能性
普段「高配当株」ではない銘柄が高配当株化している場合、この可能性があります。過去の配当性向や「記念配当」の有無を確認して、慎重に購入を検討しましょう。
前項でも述べましたが、高い配当が支払われる背景には「企業の成長が鈍化している」ことや「再投資機会が少ない」ことなど、潜在的なリスクが隠れている場合があります。
また、一時的に株価が下落している企業から高い配当が出る場合、その企業の業績回復が不透明であるため、将来的な配当の減少や中止のリスクが考えられます。
特に「一時的な高配当株化」による企業は、今後の業績が不透明であることが多いため、中長期的な配当を目指す場合は注意が必要です。
このように「現在高配当であること」が必ずしも良いとは限りません。そのため、高配当だけを追うのではなく、企業の実態をしっかりと把握することが重要です。
4. 実際の高配当株投資の例
私が考える『高配当株』における投資先の選び方の基本は、一言で言えば「企業の健全性」です。
配当利回りが高くても、それが持続的でなければ意味がありません。そのため、企業の財務健全性は非常に重要です。
具体的には、負債比率や現金流量、そして業界内での競争力をしっかりと評価しましょう。また、一過性の収益に依存している企業や、過去に配当をカットした経験のある企業は注意が必要です。
例えば、テクノロジー企業は企業活動に大きな投資が必要となることが多くなるため、配当ではなく企業価値を高めて株価を上げる方向(キャピタルゲイン)による株主還元の実現を目指すことが多いです。
一方で「生活必需品の製造・販売」「公益事業」「不動産投資」などの比較的成熟した分野では、安定した収益が期待できるため、株主還元を意識しての高配当が支払われることが多いです。
以下は、一般的に高配当株に多いとされている業界の一例です。
1. 公益事業
電気、ガス、水道などの公益事業は、規制によって保護されていることが多く、収益が安定しています。
2. 不動産投資信託(REIT)
REITは、収益の大部分を配当として株主に還元することが法律で定められています(約90%は株主に還元が求められる)
3. 金融業界
特に銀行や保険会社は、安定した収益を上げることができる場合が多いので、高配当を支払うことが多いです。
4. エネルギー業界
大手石油会社などは、資源の採掘や生産に関する大きなキャッシュフローを持っており、安定して高い配当が支払われることが多いです。
5. 情報・通信業界
多くの国で通信業界はオリゴポリ状態にあり、安定した収益を上げ続ける状況ができあがっているため、配当還元が多い傾向があります。
6. 製薬業界
一部の大手製薬会社は、製薬の特許関連や新薬開発&販売で安定した収益を上げることができるため、安定した高配当を出す傾向にあります。
ただし、高配当が魅力的である一方で、それだけを基準に投資を行うのはリスクが伴います。高配当を継続的に支払うための企業の健全性や業界の将来的な見通しをしっかりと評価して投資の可否を自分でしっかり見定めるのが肝要です❢
5. 高配当株投資を成功させるためのポイント
高配当株投資を成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 企業の財務健全性や業績の安定性を確認すること(安定性)
- 配当の持続性や成長性をチェックし、一時的な高配当でないかを見極めること(持続性)
- 多様な業種や地域に分散投資を行うこと(リスクの軽減)
①財務健全性や業績の安定性を確認する
投資先の選び方の基本は「企業の健全性の確認」です。そして、企業の財務健全性や業績の安定性を評価するためには、下記のような点を考慮することが重要となります。
1.財務諸表の分析
主要財務諸表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)より、 売上高、営業利益、純利益などの数値をチェックして、収益の動向や収益性を評価します。
2.収益の安定性
過去数年間の業績データを基に、売上や利益の変動を確認します。急激な変動や一過性の利益がないかを見ることで、企業の収益の安定性を評価することができます。
3.負債の状況
高い負債比率や短期間で返済が必要な負債の多さは、財務上のリスクを示す指標となります。
4. 業界動向のチェック
業界全体の動向や競争状況も考慮が必要です。特定の業界が低迷している場合、その業界における企業全体の傾向として財務健全性や業績が厳しい場合があります。
これらの要点を通じて、企業の財務状況や業績の安定性を評価し投資すべきか否かを自ら判断することが大切です❢
②配当の持続性や成長性をチェックする
配当の持続性・成長性の観点から、一過性の収益に依存している企業や、過去に配当をカットした経験のある企業は注意が必要です。
企業の株主還元方針を示す「配当性向」や実際の配当金額も、企業の財務状況や経営方針を理解するための手がかりとなるのでチェックしておきましょう。
③多様な業種や地域に分散投資する
高配当株の分散投資は、複数の高配当株に投資を分けることで、特定の企業や業界のリスクを低減し、全体としての安定した収益を目指す投資手法です。
高配当株の分散投資のポイントとしては下記の点があげられます。
1. 業界の選定
すべての高配当株が同じ業界に集中しないよう、異なる業界の株に投資することが重要です。
2. 地域の選定
特定の地域の経済状況や政治リスクに左右されるリスクを減少させるため、国内外の異なる市場の高配当株にも投資を分散すると良いでしょう。
3. 再投資
配当金を高配当株に再投資することで、複利効果を最大化させることができます。一方で「今を良くするため」の配当金ですので、割り切って使ってしまうのも良いと(個人的には)思います。
4. 定期的な見直し
市場状況や企業の状況は変動します。定期的にポートフォリオを見直し、リバランスを行うことが必要です。
高配当株への分散投資は「資産の最大化」にはやや不向きですが、適切なリスク管理とともに中長期的な安定したキャッシュフローを追求する手法として、多くの投資家に選ばれています。
まとめ
本記事では「高配当株投資の特徴と注意すべき点」について簡単に解説しましたがいかがでしたでしょうか?
高配当株投資は、インデックス投資と比べて、購入時の労力が圧倒的に大きく、決して「万人向け」の投資とはいえないでしょう。
一方で「配当金」を得ることで、投資によって「生活が良くなっている実感」を感じやすく、投資へのモチベーションが保ちやすい手法であると考えます。
高配当株投資の最大の魅力は、安定した配当収入にあります。しかしながら、安定して配当を享受し続けるには、投資先の選び方が非常に重要となります。
瞬間的な「高配当」に騙されないためにも、背後に隠されたあらゆるリスクを見逃さず、しっかりとしたリサーチと戦略を持って高配当株投資を実践していきましょう❢💹
おまけ
因みにですが…2023年10月時点での私の高配当株保有状況です。
日本株:
- 保有銘柄数:47(他にETF、J-REAT保有あり)
- 簿価利回り:5.24%(目標設定値:5.0%)
米国株:
- 保有銘柄数:3(すべてETF:SPYD、HDV、VYM)
- 機会を見て少しづつ買い増しを実施中(2023年10月は多めに買付を実施中)