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この記事では、石川明氏氏の著書「Deep Skill 人と組織を巧みに動かす 深くてさりげない21の技術」について紹介します。
石川明氏は、現在、株式会社インキュベーターの代表取締役であり、院内ベンチャーに特化した業務支援を行っておられます。
- リクルート社で7年間、新規事業開発室のマネジャーを務め、1,000件の事業案に携わる。
- 2000年にリクルート社社員として「All About」社の創業に参画し、2005年JASDAQに上場。10年間、事業企画・事業運営の責任者を務める。
- 2010年に独立し、社内起業に特化し業務を請け負う会社を設立。以降、大手企業を中心に、新規事業の創出、新規事業を生み出す社内の仕組みづくり、創造型人材の育成に携わる。
- 経済産業省が主催する起業家育成プログラム講師(2022年)
- 経済産業省 審議委員、SBI大学院大学 客員准教授、等
そんな石川氏ですが、著者の言葉によれば、決して新人の頃から優れた業績を挙げてきたというわけではなかったとのことです。
そこで、仕事のできる先輩を間近にみて技術を吸収し、そこに自らの考えを加えた「組織内での仕事術」を「ディープスキル(DeepSkill)」と命名し、本著で具体例を用いて分かりやすく語っておられます。
人と組織を巧みに動かすさりげない技術
本書の冒頭に記載されている言葉ですが、私を含む多くのサラリーマンにとって、仕事を円滑に進める上で非常に大切な技術であるのではないでしょうか?
そこで、本記事では、私が本書を拝読し、強く共感した部分、及び実際に業務で実践している部分を中心に紹介して参ります。
本著での学びを少しずつ実践に移したところ、従前より「企画・提案」の採用率が明らかに高くなり、具体的に企画を実行する際にも、周囲からの協力を得やすくなったことを実感できております❢😊
そんな私の経験を踏まえ、特に
- 上司が動いてくれない
- 自分の意見を仕事に反映していきたいがやり方が分からない
- 部下の育成や雑務に追われて、自分の仕事に割ける時間がない
- 他部署との連携がうまくいかず仕事がスムーズに進まない
といった仕事上の悩みを抱えている方にとって、非常に有益な書籍となっております。
現代の仕事は、自分1人だけで全て解決できることは(ほぼ)存在せず、上司や部下はもちろん、他部署や他部門との連携は必須といえるでしょう。
特に、新たな事業や提案、組織全体の方向性の決定や取組といった大きなことにおいては、チームの他メンバーや他部門からの協力なくして実現は困難です。
人と組織を上手に利用する「ディープスキル(DeepSkill)」を身につけて、職場において自分の仕事がスムーズに実現できる環境を整えていきましょう😊
「ディープスキル」のあらすじと個人的ポイント
本書は以下の4章(21項目)にて構成されております。
- 第1章 「したたかに働く」
- 第2章 「人間関係」を武器とする
- 第3章 「権力」と「組織」を動かす
- 第4章 「人間力」を磨く
本書の「推しポイント」は、人と組織を動かす「ディープスキル(DeepSkill)」に関して、著者の実体験を踏まえて具体例でわかりやすく解説されている点です。
全ての章・項目に学びがありますが、特に私の琴線に触れたのは以下4項目です。
- 「ずるさ」ではなく「したたかさ」を磨く
- まず自分の「機嫌」をマネジメントする
- 上司の「頭の中」を具現化する
- 人間の「哀しさ」を理解する
この記事では、これらのポイントについて、私の所感も交えつつご紹介して参ります。
①「ずるさ」ではなく「したたかさ」を磨く
- 自分が「信頼される人間」であることが「仕事ができる」大前提である
私が本書籍を拝読した中で最も印象に残った言葉です。
相手に「信頼できない人間」と思われている限り、どんなに正しいことを言っても心から受け入れてもらうことはできません❢
では、相手からの信頼を勝ち取るためにはどうすれば良いか?これについては「誠実であること」に尽きると明確に主張されてます。
「礼儀正しくする」「謙虚である」「嘘をつかない」「約束やルールを守る」等、幼少期から学んできた「当たり前のこと」を忠実に守り続ける…それ以外に周囲からの信頼を勝ち取る道はない、とまで言い切っていらっしゃいます❢
「信頼」は「得るのは難しく、失うのは一瞬」の脆いものです。そして、信頼を失うキッカケとなる「誘惑」は常に私達のそばに存在しております(他責思考、数値の改ざん、報告ををあえて怠る、等)
特に、ミスをした時やトラブルが起こった際は、誰しもが自己防衛に走ってしまいがちです。
そんな時でも、自分を律し、真摯な対応を継続し、周囲の人々からの「信頼資産」をコツコツと貯めることが、長期的に大きな力を与えてくれることを、著者の具体例を交えつつ紹介していらっしゃいます。
そうして周囲からの「信頼資産」を得た上で、「人間心理」「組織力学」に対する洞察を踏まえた戦略が加わることで、はじめて「人や組織を動かす」ことができます。
まずは、周囲から信頼される自分であるために、日々「何をすべきか」を熟考し、少しづつ実践していくことが大切ですね😊
②まず自分の機嫌をマネジメントする
・人や組織を動かすには「求心力」が必要不可欠である
同程度の仕事レベルの2人がいて、ちょっと教えて欲しいことがあった場合、片方は色々な人に愛想よく挨拶している、一方、もう片方は不機嫌そうにモニターと睨めっこ中…
そんな状況であったら、わざわざ「機嫌が悪そうな」方に質問しないですよね(笑)
どんなに優れた「実績・実力」「胆力」「強さ」を持っていても「不機嫌な人」に積極的に話しかける人はいません。
つまり、マネージャーやリーダが求心力を発揮するには、職場においては常に「機嫌よく」いることが大切です❢
但し、ここで注意すべきは「真面目な人ほど不機嫌になりやすい」という事実です。
真面目な人ほど、後輩からの問いかけやトラブル対応に真摯に対応するため、自分の仕事が後回しになってしまい、結果として不機嫌が生じる環境になりがちである…と著者自身の体験を踏まえて指摘されてます。
まず「自分を知る」手段としては、
- どんな時に自分は「不機嫌」になるのか?を客観的にチェックする
- 折に触れて鏡で自分の表情をチェックする
といった「自分を客観的にチェックする」習慣を身につけるのが大切です。
自分で意識していないと「自分の不機嫌の原因」に気づくのは難しいので、折に触れて意識するトリガーを自分自身で持っておくことが大切です。
また「仕事を手放す」手段としては、
- 仕事中は部下のための時間であると割り切る
- トラブルは必然的なものと受け入れ、その対応が自分の仕事であると考える
ことで、自ずと「リーダーとしての仕事」に注力できるようになり、部下からの相談やトラブル対応にも余裕を持った対応が可能となります。
トラブル対応時に不機嫌な姿をみせると、部下に距離を置かれてしまいます。
一方、上司が「自分の出番」とばかりに対応すれば、部下にとって報告しやすい職場環境が形成され、自然と周囲に人が集まるようになります。
自分の周囲に「求心力」を発揮するためにも「自分の機嫌」を自分でマネジメントできるように努めていきましょう😊
③上司の頭の中を具現化する
・リーダーの曖昧な指示を具現化する言語化力が大切
上司から「曖昧な」指示を受けて困ったことがある方は多いのでは?そして「自分なり」に考えた案を提示しても、良い反応は得られず、それどころか、当初は何も聞いてなかったことについて、新たに色々な考えを言われたりしませんか?
こちらとしては「だったら最初から言っといてよ❢」と愚痴の一つも言いたくなりますよね😅
ただ、ここで重要なのは
- 指示を出した上役にも「思い」や「考え」がなんとなく存在している
ということです。故にその考えを全く無視した提案では却下されてしまいます。
「新記事業を提案してほしい」と言われ、自分なりに考えて提案してもことごとく却下されてしまう…ということが多いのは、実はこういった背景が存在しているからなのですね。
そして、この状況において大切な考え方は
- 上役の言語化をサポートし具体的な指示に落とし込んでいく
ことにあります。
ここで、上役の「頭の中」を言語化するために大切なのは「フェアウエィ」と「OBゾーン」を見定めることにあります。
前提条件を考慮せず、自由な発想で企画立案しても「上司の考え」から逸脱していると、そもそも取り合ってもらえない可能性が高いです(私の実体験です…😅)
まずは「上司のOBソーンを明確に避ける」ことが大切です。そこさえクリアすれば「上司の想定の中」で「自由に」企画立案の発想を広げることができます。
そのためにも「4象限マトリクス」を利用する等、できるだけ「具体的な質問」を上司にぶつけて、徐々に相手の「無意識化のイメージ」を言語化して、上司が「心の中」で望んでいる具体的な企画立案を構成できる手法を身に着けていきましょう❢
④人間の哀しさを理解する
・リーダーは「好き嫌い」に左右されず「自分の感情」をコントロールすることが大切
自分の上司が露骨に「好き」「嫌い」を表に出すチームで仕事をされた経験もある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
自分がどちらに思われていようと、好き嫌いの感情を仕事に持ち込むことは、チームで仕事を進める上で「百害あって一利なし」であることは誰もが重々承知しているはずです。
でも、実際には枚挙にいとまがないほど見聞きするお話だったりしますよね…😅
自分の上司が露骨に「好き」「嫌い」を表に出す…そんなチームでは「抵抗勢力」が増えるばかりでチームとして機能不全となり、まともな仕事を遂行するのは早晩、困難となるのは火を見るより明らかですね。
当たり前ですが、職場は「仕事」をする所です。「好き」「嫌い」は関係なく、職場では「仕事」を達成するためのメンバーであり「目的合理性」に徹してポジティブな人間関係を構築することに注力していくことが大切です。
しかしながら、メンバーの決定的な裏切りや悪意により、つい「嫌悪感」を抱いてしまうこともあるでしょう。
そんな時は、自分の感情は一旦置いて、相手の奥にある「人間の哀しさ」を許容するという考え方が非常に大切です❢😊
相手の心情に思いを馳せることができれば、自然と相手を許容できるようになってきます。自分の感情に惑わされず、できるだけフラットな気持ちでメンバーと接するスキルを少しづつ身に着けていきましょう❢😊
ま と め
この記事では、石川明氏氏の著書「Deep Skill 人と組織を巧みに動かす 深くてさりげない21の技術」について、私の印象に残った項目について紹介して参りました。
- 「ずるさ」ではなく「したたかさ」を磨く
- まず自分の「機嫌」をマネジメントする
- 上司の「頭の中」を具現化する
- 人間の「哀しさ」を理解する
職場で実績や経験を重ねて、部下のマネジメント、及び上司への提案や意見が求められる職位になった方の中には、ご紹介した悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
今回紹介した内容の他にも、著者の経験を通じて得られた様々な知見が凝縮されておりますので、内容が気になった方はぜひ本書をお手にとっていただければと思います😊
この記事が「仕事の進め方」や「部下のマネジメント」「上司との関係」にお悩みの方にとって、問題解決の一助になれましたら幸いです。
では、See You!!